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ブルーマンデー 2009.05.11

国道八号線に合流したころ、大潮の月は薄い雲に隠れ、
稜線の少し上を低く南東の空に昇っていた。

4か月ぶりの上越の海は、自分にも優しくしてくれるだろうか?

先遣隊の、tk.ym.両隊員は、目に見張る戦果を残している。
その事実に、繁忙期をやっと過ぎた自分もあずかろうと、
無くしかけていた連休分の休日をこの日に取り戻し、
4か月ぶりの海へとやってきたのだ。

『そんなにうまくはいきません。』
そんな声を聞こえない振りで押しのけ、
先発する各隊員のいるイントを目指した。

途中、『止まると釣れる信号』に赤信号のサインが灯り、
先をいそぐ愛機ファッティーの足を止める。

『・・・・・・・・・ 釣れんじゃね   ?』

勝手なジンクスが、赤信号のいらだちをポジティブに変え、
潮止まりを待つ海へのあせりを少し和らげ、
淡い期待をいだかせる。
赤く丸い光。

風はほぼ無し。あっても、うまい具合にフォローとなっている、
第一ポイント。
サーフ。
シャロー。
岩礁。
そして回遊ルート。

潮さえ動けば必ず釣れる。
沖からの少しのうねりは好条件。

しかし、動かない、流れない、潮は、
1時間半のキャスト後も動く事はなかった。

ここで、先発隊、
tk
ym
隊長
と合流。
3人がポイントに入ったばかりは潮も動いており、
魚の活性も良かった模様。
メバル、セイゴ?捕獲済みとのこと。
ただその後、潮の動きも止まり、
生命反応も無くなってしまったという。

まだまだ始まったばかり。
このポイントも数日まえのym実績ポイント。
しかし、動かない潮は、ここでは致命傷。

移動は必至。
隊長がポイントを選定。
次のポイントもここ数日の超実績ポイント。
この人はほんとに魚の臭いを良く嗅ぎ分ける。
自分もバスの頃はそんな臭いも感じとれたが、
海ではまだまだ。

到着したポイントは、この場所としては珍しく、
薄い笹濁り。
夜空の薄く広がった雲に、大潮の月の光も霞んでいる。
実績と、好条件。
潮の流れは吉と出るが、流れが無くてもここなら価値がある。
ウェーディングを信条とする我等は、4人各自に選んだ方向へとキャストする。
自分も確信は無いものの、
おおよその仮定にのっとってある1方向へとルアーを送り込む。
回遊か?留まっている個体はいるか?
思考は疑惑を喚び、回収されるルアーは失望を連れてくる。
みな、黙々とキャストを繰り返し、ルアーをチェンジし、
リトリーブを変え、魚と時合いを捜し待つ。
全員すこしづつスタイルが違い、
その辺は、見ていて楽しいし、
吸収できるコトも沢山あり、
独りで行動する事の多い自分には
とても有意義な今回の釣行である。

1時間経過。沈黙。


隊長にもまだあたりはない模様。
彼は、自分をこの辛くも楽しいシーバスの世界へ墜とした張本人。
その意味では悪魔である事は間違いなく、
シーバス釣りの甘い汁を吸わされた自分は、
もう戻る事は出来ないだろう。

tk、ym、両隊員は若い体力と小回りに物をいわせ、
連日に近い作戦行動をしている。
何年か前は自分も同じ様に楽しんでいたなと思いながら、
うらやましいような、悔しいような、呆れるような気持ちで
時折寄せる小さなうねりと、東から吹く風のなか水面より見える
彼等を時折確認しながら、狙ったソコへと自分はルアーを流していた。

        根が沈むと確信する一点へ。


123に軽いアクションを加えた瞬間その時はやってきた。
ルアーに触れた感触と、消えた抵抗が『コツん』と戻る感触。

『きたっ』心の中で、叫ぶ。
四か月ぶりのアタリに、四か月ぶりのあわせ。
重さは十分ノっている。
風神が曲がるのはこれで何回目だろう?
さらに追いアワセを追加。
完全にフックアップした。

『ヒットっす!!!!』
仲間に連絡。
同時にエラ洗い。
魚体が、わずかにうねった水面から半身飛び出し、
こちら側の世界にまたがりながらの渾身の抵抗を見せる。
擦りガラスの向うからの様なほの暗い月の光でも、
その光景を、ありありと見ることができた。

『きましたね!mさん、フォローします!』ymちゃ。
今日はありがたくお言葉に甘えよう。

『でかいですか?』

『いや、ちびいよ』(君は前日でかいの釣ってるじゃん!!  ちょっとひがみ)

すでに魚との距離は縮まり、手前のブレイクで最後の抵抗を繰り返している。
先ほどのエラ洗い、時たま見える銀色とこの重さはシーバスに間違いはない。
ちびい、とは言ったもののそこそこのサイズらしい、
が、残念ながら、きつく絞ったドラグはビクともしない。
風神もスペックの割にはカーブが素直で、魚の動きをなだめてくれる。
パワーにも不満はない。
走りあきらめた魚をフォローに入ったymちゃの方へと誘導する。

ymちゃのオーシャンにランディングされたシーバスは頭でっかちの74センチ。
『ありがと、ymちゃん。』
『いーサイズじゃないですか』
賞賛の言葉に、そんなことないよと答えるのは、
素直ではない証拠。

ここでうだうだしていると、時合いを逃す可能性が多い。
さっさとキープの処理をして、ymちゃには戦線復帰してもらわないと。
ストリンガーにつなぎ終え、自分も戻る頃には皆のモチベーションも
かなり復活、いや燃え上がっていただろう。

キャストを繰り返す。
4人とも魚を確信し、キャストを繰り返す。

そして、1時間経過。

『ひっとっす!』
風神が今夜2度目のカーブを披露する。
しかし、揚がってきたのは、尺メバル。
悪くはないが、もちろん本命ではない。

そしてここから中盤が幕を開ける。
まず、ymちゃ。
『キマシターー!』
さすが今期の撃墜王。
魚もいい引きをしている。
ドラグの音が魚の大きさを誇張するかの様に響いてくる。
『でかいぞ!、今度はわしがキャッチするから、あせらなくていいよ』
『すいませーん。お願いしまーす』
手前で最後の抵抗を見せた魚体は、ボリュームのあるいい魚。
しかし、ymちゃんのファイトも堂に入ったものだなと、感心しながら、
結局ポジション的に、オーシャンキャッチしたのはヒットさせた
ymちゃ本人だった。

『いいサイズだよお』
73センチ。立派な魚体。
自分のストリンガーに繋ぎながら、立派な背中の盛り上がりと、
張ったお腹の魚を確認する。
『ymちゃん!やるね』自分としては、最上級の誉め言葉。


『ヒットお!』
隊長の声が響いた。
すかさず振り返った先の隊長のロッドが綺麗に曲がっている様にみえたその瞬間、
『あ”!ばれたあ!』
隊長は罠にはまったらしい。
隊長であれば、確実にサイズアップしていただろうに。
当たりどころのない悔やしさは、ばらした本人だけではなく、
その場の全員が感じていた。

tkッ君もばらしていたらしく、
ここ数日不運に憑きまとわれているが、
彼の出撃頻度とスペックであれば、すぐに挽回どころか、
爆発させることだろう。

外道も含め明らかに時合いが来た一瞬だった。
期待は尽きないが、その時も終わりを迎えたらしく、
その後アタリが来ることはなかった。


東に太陽の気配が見え始める頃、
最後のチャンスと暁の海に誘いをかけ続けるも答えはなく、
今回の釣行も終わりを迎えるコトとなった。

見上げるほどではない高さ、いまだ西の空に大潮の満月が漂っている。
満月と信号の赤い灯がオーバーラップするのは出来過ぎか?
と思う自分が手にする4か月ぶりの海の送り物が、
沈むのを躊躇うかの様に西の空から明け始めた東の空をにらむ
いまだ光る満月の光を受け、天然の銀色に反射していた。

P5110192

夏の静けさを思い出し始めた満月の海と、仲間がくれた夜の出来事。


『いや〜、みんな、ありんがっと!。
お膳立て完璧じゃ〜ん。

あと、裏日本キス会議 発足だけど、だれかはいる???
ほんとの狙いは、翌日のキスだったってのとかあ、
24センとか釣れちゃったのとかあ、

でも      そ・れ・わ・

ユア アイズ オンリー
国家機密だからさ!

ここまで読んだ人、ご苦労さまでした。』

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コメント

一気によみおえました。 あーざぃました。 

漁師の腕に感激しつつ、ヘミングウェイを思わせるような文才に玉砕されました。おわりなき戦いM 


文藝春秋への連載を期待しております。 

投稿: えむ | 2009年5月15日 (金) 21時48分

やっぱM氏にお願いして大正解でしたhappy01

自分も修行しますgood

裏日本キス会議入会希望します(爆)

投稿: 山猿 | 2009年5月16日 (土) 18時50分

この文章。

売れますgood

シーバス、メバル、キス等は
非売品ですがfish

投稿: ms | 2009年5月17日 (日) 03時43分

待ってましたhappy01

新作!! 今回はまったくのノンフィクション
ってのが 出来過ぎですYO

裏日本キス会議はもち入会希望だす。

あと最近 冬季&春季限定で 
裏日本メバルプチ会議ってのも
活動してるらしいですよ。 山ちゃんとtkで。
こちらもよろしゅう。。

投稿: tk | 2009年5月17日 (日) 23時57分

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